戦後、国土法によって住居系地域・商業系地域・工業係地域に分けて都市計画が進められてきた。日本経済は団塊の世代と共に発展してきた。街の中心部は職場地域、職場の近くに飲食街・歓楽街があった。市街地の周辺に新興住宅地として住宅街が広がって行った。そんな戦後の生活スタイルが変化している。団塊世代によって定年退職と共に中心市街地への住み替えが進んでいる。近年、団塊二世は自由時間の過ごし方を重視して歓楽街に近い住居を好むようになった。
今や商業地域だった中心市街地は居住地域になってきた。住居・商業の混在地域となってしまった。新しい生活スタイルは職・住・遊、近接スタイルだ。新型コロナウイルス感染拡大がその変化を加速させていると言う。中心市街地に高層ビルを建てることによって、職・住・遊の一体開発を可能にすることが出来るようになったようだ。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、テレワークが進んだ。自宅でウエブ会議をする。カラオケだってゲームだって自宅で出来る。東京にいながら愛媛新聞がウエブで読める。自宅に居ながら職場と同じような仕事が出来る時代になった。嫌な上司や気の合わない仲間を気にせず働くことが出来る。オンライン飲み会が始まった。義務教育だって大学授業だって専門学校だって予備校だって、下手な先生が教えるよりオンライン授業のほうが遥かに効率が上がる。だが人間教育と人間関係教育が出来ない。
インターネットの普及によって時間や場所に縛られない働き方が出来るようになった。地方に住みながら東京都心の本社で働いていることと同じ仕事が出来る。企業による「在宅勤務」や「テレワーク」の導入が進んでいる。職・住・遊、近接スタイルから職・住・遊、合体スタイルへ変貌しつつある。さらに脱遠近が加わった。それは仕事と遊び、職場と家庭の区別が消える。気分の切り替えが出来ない。昭和時代の人間には付いていけない。
遠き昭和のまぶしい時代、背広は男の鎧兜だった。背広ネクタイで「さあ、やるぞ!」気が引き締まるのが職場だった。今後、出勤が無い時代になりそうだ。在宅勤務で背広が無意味になる。副業も許される時代になった。これを働き方改革と言うのだろうか。機械に使われるIT時代、今後は同僚同志、人間関係崩壊時代になる。へんな時代になったものだ。令和時代の人間でなくて良かったと思う今日この頃である。