人は高い建物を造りたがる。人は高いところに登りたがる。世界最高峰はエベレストの8848mである。世界で一番高い建物はドバイのブルジェハリファ828m163階だ。2位がマレーシアのメルディカ118で644m118階建てである。3位が中国の上海タワーで632m128階となっている。建設中で言うと、サウジアラビアのジェッダタワーが完成すれば1007m167階で断トツの世界第1位となる。馬鹿の高上がりと言われるが私は10年前に富士山の頂上に登った。限られた時間の中で、もし許されるものなら、世界一の眺望を見て死にたいものだ。
東京駅の北側で2017年に竣工する三菱地所のトーチタワー390m(63F)が日本一の建物になる予定だ。経済活動のシンボルが超高層建物で象徴されるような気がしてならない。四国4県の中で松山市のビルの高さは四国で4位・最下位と言うのは何とも寂しい。高層建物には規模のメリットがある。コンパクトシティ構想の原点はインフラの効率化である。インフラ整備とメンテナンスは市民の税金で成り立っている。松山市ではコンパクトシティ構想は掛け声だけでまだ実現していない。
経済も賃金も、人間の本能として、より大きく、より多く、1番でありたいと願う。建物だって同じだ。人類はより高く、より大きく、効率を追求してきた。いくら大規模な建物を目指しても事業主にも器がある。いくら頑張っても資本力を超える建築物は出来ない。それでも建物を地域の社会資本と考えた時、出来るだけ高層建物を企画したいものだ。高層建物には空地が伴う。街の景観を整え、防災にも役立ち街の発展にもなる。いずれ建物は承継人(相続や売却)によって建築主を離れ、所有者の地位は継承されていく。いつの日か建築主を離れ、街の社会資本として生き残る。