大規模修繕・大改修

 建物は最高の状態から始まる。建物は10年15年20年経過するとアチコチに問題が出てくる。いくら鉄筋コンクリート造りだってトラブルが発生してくる。亀裂から雨漏りが始まる。塗装やコーキングが劣化してくる。建物だって風雪流れ旅の人間の身体と同じである。人間は70年間生きているとケガや病気の積み重ねとなる。あちこち手入れ補修して、何とか風雨に耐えて生きている。今や人生100年時代と言われている。私は鉄筋コンクリートの建物は、きちんと手入れをしていると、100年使えると思っている。きちんと手入れをしないから劣化・朽廃するのである。建物だってアンチエイジング治療をすれば100年間、オーナーに恩恵をもたらすのである。

 建物を収益物件(投資)と割り切って管理会社に丸投げするオーナーが多い。建物は収益を生むモノとして扱い、建物に愛着を持たないオーナーが多い。オーナーが自分の建物に無関心でいて、空室を嘆いて、管理会社を責めることは理不尽な話だと思う。オーナーが自分の建物に愛着を持たず、粗末に扱えばその心は管理会社にも伝わる。管理会社も自ずから建物を粗末に扱うようになる。家族が粗末に扱う入院患者に対して病院に優良介護を強要するようなものだ。当社は今、自社物件4棟の大規模修繕・大改修をやっている。大改修は売却するためではなく共に生きる為にやっているのである。私にとって自分が創った建物は私の分身的存在である。家族の様な気配り心配りが有るか無いかで建物の寿命は大きく異なる。