地価30年連続下落

 愛媛県の基準地価が発表された。商業系住居系工業系の全用途平均価格で前年比1.5%下がった。とうとう30年連続の下落となった。バブル期から30年連続で下落し続けていることになる。私が40歳の頃、日本中の土地がバブルで沸いていた。取引価格も最高だった。松山市で取引された最高額は坪単価3000万円だった。現在の取引最高額が250万円だから、当時の10分の1以下になってしまったわけだ。銀座なら坪単価10億円位はしたのではないだろうか。あの頃株価はダウ平均で39000円になっていた。あの頃、東京山手線内の土地で、アメリカ全土が買えると言われていた。

 地価だって商品(動産)と同じように需要と供給で決まる。今も昔も地価の高いところは必要とされる場所だ。地価政策なんて出来ないと思う。税金や条例をつくっても原理原則は変わらないからである。都市計画(利便性)や産業誘致によって、たとえ人気(高い地価)の出た場所でも所詮スポットに過ぎない。人口が減少しているのだから平均すれば下落となるのは当然である。地価の高いところは、住宅地は住みやすいところ、商業地は商売で有利なところとなる。住宅地は人口密集度で決まる。商業地は人流で決まる。

 人口統計の今後の推移予想を見た時、中国の衰退がはじまり、インドの繁栄が始まる。その次の繁栄はアフリカだ。日本では人口が増えない限り土地投資は成り立たないと私は思う。下がり続ける地価を考えた時、住宅は賃貸転居で、色々な生活スタイルを経験してみるのも面白いのではないだろうか。一度しかない人生だ。あの世での思い出になる人生になるかも知れない。