都心部で高額分譲マンションの供給が続いている。23区では新築分譲マンションの販売価格の平均が1億円となっている。広域でみた首都圏でも新築の平均は7,000万円になっている。当然にして家賃も高くなる。世帯用であれば30-40万円が世帯用家賃相場である。単身用なら15-20万円が家賃の相場である。いずれにしても高額物件は富裕層の相続税の節税目的による購入が多いと言われている。そこで国税庁はタワマン節税に目を付けた。歴史は繰り返す。1989年当時を思い出してほしい。
国税庁は相続税の算定ルールを見直すと言う。固定資産税を上げると、引退生活者など収入の少ない都民は生活が出来なくなる。反発を招くために国税庁は容易に増税ができない。固定資産税評価額を容易に上げれない中で実勢価格と固定資産税評価額との乖離が3倍を超えているタワーマンションが多くなった。1億円程度の新築マンションを単体で見た場合、現在の相続税額は僅か15万円程度である。それが来年1月1日からは同じ物件で相続税が500万円程度にUPすると言う。
1989年のバブル時の時ように、相続で相続税が払えない都民は、そのままその家に住めなくなる。自分の住宅を高値で売却して地方に住み替えを考える。売買の差額金額で大きな小遣いとなる。都内で不動産を所有する富裕層は地方都市の収益物件に目を付ける。よって地方の収益物件や分譲マンションの売れ行きも良い。
意見を言わせてもらう。今回の評価額算定ルールの変更対象者は節税が目的のタワマン所有者に限定すべきだと思う。今回の評価見直しについて、特例として、住民票のある人(現実に住んでいる人)はこのルール変更について除外すべきだと思う。なぜなら真面目な一般都民は相続税が払えなくなり、売却して相続税回避を考えるからだ。言い換えれば都心からの逃避が始まると言う事になる。